市民の実践例

平成28年度「真のワーク・ライフ・バランス」実践エピソード表彰 佳作「支え合う地域での活動賞」人見早知子さん

平成28年度「真のワーク・ライフ・バランス」実践エピソード表彰で,「支え合う地域での活動賞」を受賞された,人見早知子さんのエピソードについて紹介します。

佳作 「支え合う地域での活動賞」

 長男が小6,二男が小1の時,共働きのためこれまで逃げ回っていた小学校PTA本部役員をすることとなった。更に,消去方式で「今まで何も役をやっていない人」という理由で,PTA会長に選出されてしまった。3日間ほどご飯が喉を通らなかったのを覚えている。

 ただ,開き直りだけは一人前の私は「所詮,保護者の代表,みんなに相談しながら進めていけばいいか。」とあきらめ,初めてのPTA活動を会長職から始めることとなった。

 まず校長先生や保護者にお願いしたのは,働いているのでこれまで昼間に実施されていた会議を全て夜間にしてほしいこと。これは,同じ本部役員の方々や校長先生,そして何より保護者の方々のご理解を得ることができて全ての会議を夜間にしてもらった。

 そうして何とか周りの協力を得ながらPTA活動を始めたわけだが,5月末にまた難題が振りかかった。これまで小学校の先生方が事務局となって実行委員会を立ち上げ実施されてきた地域の夏祭りについて,小学校の教員ではもう無理だから,PTAに事務局を代わってほしいとのことだった。地域中の様々な団体(自治会,学童,保育所,少年野球,女性会・・)を集めての夏祭り。そんな大きな組織の事務局をPTA活動をやりながらできるのか・・そんな不安があったが,PTAが引き受けなければ夏祭りは終わってしまう・・などという大胆な意見がある中,引き受けざるを得なかった。年に一度の子どもも大人も楽しみにしている夏祭り。やめるわけにはいかない,そう思った。こわごわ本部役員に協力を依頼したところ,みんな快く「やろう」と言ってくれた。その後,PTA本部役員を降りた際に,「PTA役員OB会」を結成し,夏祭りはOB会で受け持つこととした。そしてもう16年目になるが,その時の本部役員とは今もなお夏祭りを一緒に運営し,楽しんでいる。

 仕事と家庭で忙しく,地域のことなどできるものか・・と思っていた私だが,PTA会長をきっかけに小学校のこともよくわかり,保護者の仲間がたくさんできた。一生懸命やろうとすれば,みんな理解し,協力してくれたし,しんどかったけど,多くの仲間,地域の絆,やりがい等得ることの方が多かった。今もなお夏祭りが続いていることをうれしく思う。現在は,その頃の役員もみんな高齢化しており,後継者を育てることに力を入れている。